一流ミュージシャンの職人芸によって、
アニメの世界観を盛り上げるテーマソング

ともにこの10月にスタートしたTVアニメ、『SPY×FAMILY(シーズン2)』と『チェンソーマン』オープニングテーマの冒頭の歌詞を見てみよう。

「SPY×FAMILY」 オープニングテーマ
『SOUVENIR』
BUMP OF CHICKEN(作詞作曲・藤原基央)

“  恐らく気付いてしまったみたい
 あくびの色した毎日を
 丸ごと映画の様に変える
 種と仕掛けに出会えた事
 仲良くなれない空の下
 心はしまって鍵かけて
 そんな風にどうにか生きてきた
 メロディが重なった”

すべては「銀河鉄道999」から始まった。アニソンがヒットチャートを席巻するまで_4
BUMP OF CHICKEN『SOUVENIR』

「チェンソーマン」オープニングテーマ
『KICK BACK』
米津玄師(作詞作曲・米津玄師)

“  努力 未来 A Beautiful Star
 努力 未来 A Beautiful Star
 努力 未来 A Beautiful Star
 努力 未来 A Beautiful Star
 ランドリー今日はガラ空きでラッキーデイ
 かったりい油汚れもこれでバイバイ
 誰だ誰だ頭の中 呼びかける声は
 あれが欲しいこれが欲しいと歌っている”

すべては「銀河鉄道999」から始まった。アニソンがヒットチャートを席巻するまで_5
米津玄師『KICK BACK』

歌詞の断片を取り上げ、アニメの内容と照らして「あれを示唆している」「このことを言ってるに違いない」などと勝手に検証をするのは野暮なのでやらないが、どちらの曲も実に素晴らしい。
アニメのテーマソングながら登場人物の名前や行動はおろか、タイトルやシチュエーションを示唆する文言さえないのに、各作品の世界観を見事に表現している。

歌詞だけではなく曲調も、「SOUVENIR」は『SPY×FAMILY』のスタイリッシュでほのぼのしたイメージ、「KICK BACK」は『チェンソーマン』のダークでヒリヒリするようなイメージにフィーチャーするものになっているではないか。

これぞ一流ミュージシャンのなせる技。まさにこれぞ職人芸と言っていいだろう。