新卒で入った会社を1日で辞めた理由

4月1日からスタートした新年度。多くの新社会人が世の中に飛び出し、1日にはX上で「電車激混み」「満員電車」というワードがトレンド入りするなど、新たな生活が始まったことを感じさせていた。

しかしその一方で、毎年話題になるのが、新入社員のスピード退職。ウソかホントかわからないが、入社式に出てすぐ辞めた、1日目の昼休みで辞めた…など、X上では多くのスピード退職の逸話があがる。こういった話を受けて、最近では「退職RTA(リアルタイムアタック)」という言葉まで作られている。ちなみに、RTAとはもともと、コンピュータゲームのクリア時間を競う競技のことだ。

今年は特に、4月1日が月曜日だったため、スタートからいきなり週5で出勤しなければならない会社が多く、そのカレンダーが新入社員をスピード退職に陥らせているとの指摘もある。しかしそもそも、何が原因で就活を必死に頑張って入った会社をすぐに辞めてしまうのか。
 

今回、実際に2022年4月に、新卒で入った会社を1日で辞めたという男性に話を聞くことができた。

名前は「もんてん。」さん。現在24歳で、関東近郊に在住。会社を1日で辞めた理由は「自分の健康状態」「会社に対する内定後から入社までの継続的な不信感」だったと明かす。1日で辞めることになってしまったが、原因はその1日だけでなく、多くのことが積もり積もっての結果、1日退職だったようだ。そのきっかけは、大学時代にまでさかのぼる。

「高校から指定校推薦で建築学科のある大学に入学し、大学3年生の6月ごろから就職活動を行ないました。当時はコロナ初年度の2020年だったので、社会全体が急なオンライン化に戸惑っていた時期かと記憶しています」(もんてん。さん、以下同)

大学2年のときに描いた大英博物館のデッサン(もんてん。さん提供)
大学2年のときに描いた大英博物館のデッサン(もんてん。さん提供)
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短期のインターンや会社説明会などに積極的に参加し、約20社の面接を受けたもんてん。さんは、3年生の8月に某建設会社の長期インターンに参加。そこに3か月間通い続けたが、最終社長面接で不採用となった。2020年11月半ばのことだった。