「ギリシャ神話×ヤクザ」の意外な化学反応
━━まず最初に『イリオス』を知ったきっかけはなんですか?
連載が始まった時に、「ヤングジャンプ」を読んでいる人から「ギリシャ神話に関するマンガが始まった!」と連絡がきました。「ギリシャ神話なんだけど、ヤクザもの」と言っていたので、「何を言っているのかな?」と思って読み始めたのですが(笑)、すぐに「これは、やばいぞ!」と気づきました。
━━最新話まで読まれたご感想をお聞かせください。
「トロイア戦争」(※注1)ものを現代アウトロー漫画にするっていうアイデアがすごいけど、まさか本気で描くわけじゃないだろうなと思って読んだら、すごい本気で描かれているんですよね。ちょっと題材だけ、名前だけ取ってギリシャ神話を描くのではなくて、マジでギリシャ神話をやっているんですよ。
舞台を古代ギリシャから現代日本に移動させただけじゃなく、当時のギリシャ人が『イリアス』(※注2)を本気でリアリティを持って語っていたのを、日本のヤクザの抗争にすることで、現代日本人もリアリティを持って読めるのがすごいなと思いました。「アガメムノン」→「崇目ムネオ」とか名前の落とし込みもすごい。
古代ギリシャ人って、こんな感じで『イリアス』読んでたのかなっていうぐらいのレベルですね。
※注1 「トロイア戦争」:紀元前1200年頃に起きたとされる古代ギリシャがトロイアに攻め込んだ戦争。「イリアス」で語られている。
※注2 『イリアス』:紀元前8世紀ごろにホメロスによって伝えられたといわれているギリシャ神話を題材とした長編叙事詩。漫画『イリオス』の"原典”と思われる作品。