「健一被告の関与の度合いが低いと判断し起訴を見送った」
夫婦は東京都台東区の細谷健一被告(44)と妻の細谷志保被告(38)。一連の殺人事件はいずれも有害物質である車の不凍液(エチレングリコール)を摂取させる手口で、2018年に健一被告の母・八重子さん(当時68歳)、姉・美奈子さん(同41歳)、父・勇さん(同73歳)を殺害したとして警視庁は夫婦を逮捕、東京地検が起訴した。
さらに両被告は、殺害した3人が「病死した」とする虚偽の請求書を保険会社に提出して保険金2579万円を詐取、別の保険会社からも同様の手口で約460万円を騙し取ったとして逮捕、起訴されている。
一方で2022年3月に死亡した次女・美輝ちゃん(同4歳)を殺害したとして警視庁が昨年2月、夫婦を逮捕した事件については、東京地検は夫の関与の度合いが低いと判断したとみられる。
「健一・志保夫婦は死亡保険金詐取については申請方法の検討などをやり取りしていたことが押収したスマートフォンの解析などでわかっています。そうして騙し取った保険金は健一被告の口座に振り込まれた。
2件の保険金詐欺を着手したことで、夫婦の逮捕は計6回に達しています。この一連の事件の入り口として着手した美輝ちゃん殺害に関しても、エチレングリコールの購入は健一被告のクレジットカードを使っています。
しかし地検が証拠や証言を精査したところ、摂取させて殺害したことについては健一被告の関与の度合いが低いと判断し、起訴を見送ったとみられます」(社会部事件担当デスク)