「白鳥麗次再登場!の巻」(ジャンプ・コミックス73巻収録)

今回は、麗子を口説こうとするにわか金持ちのチャラ男、白鳥麗次がポルシェに乗って登場するお話をお届けする。

麗次は、白鳥鉄工所社長の御曹司で、やたらと金持ちアピールをする軽薄な男。世界指折りの富豪である中川や麗子の前で堂々と自慢してしまう点を含めて、ギャグのために生み出されたようなキャラクターだ。

名前の由来は、超絶お嬢様が主人公の少女漫画『白鳥麗子でございます!』(作:鈴木由美子)からだろう。

そんな麗次の愛車が、ポルシェ911。911は1960年代からアップデートを重ねて販売され続けているドイツの名車で、空冷の水平対向エンジンを後輪よりも後ろに積んでいるのが最大の特徴だ。

ちなみに、市販の乗用車で空冷エンジンが採用されていたのは、1970年代まで。911は生きた化石のような稀少な存在でありながら高性能高級車でもあり続ける、非常に希有な量産車だ。

そんな車に、ギアチェンジや坂道発進すらまともにできない麗次が乗っているのは、宝の持ち腐れとしかいいようがない。猫に小判、豚に真珠、麗次にポルシェだ。

現代では、街ゆく車の98%がオートマチック車で、マニュアルトランスミッション搭載車には滅多にお目にかかれない。当然、坂道発進やギアチェンジに失敗してエンストする車を見かける機会もない。だが1980年代に日本のメーカー「アイシン」などのオートマ技術が発展するまでは、オートマ車の普及率は50%を割っていた。

本作が描かれた1990年には、高級感を打ち出した「ハイソカー」の普及もあり、オートマ車の比率がかなり上がっていた。だが、スポーツ走行にはドライバーの操作に鋭敏に反応するマニュアル車一択! という考え方もまだまだ根強かった時代だったのだ。
なお、麗次は後日、オートマ仕様に改造したフェラーリに乗り換えている。

それでは次のページから、白鳥麗次のつたないドライビングが巻き起こす騒動をお楽しみください!!