もともと原作者志望でヤングジャンプに
ーーTwitterで「作画をする漫画家」からは引退し、今後は原作者として漫画に関わっていくと宣言したことが大きなニュースとなりました。改めてその理由について教えてください。
実はもともとヤングジャンプには原作者志望で入っているんです。ただ、最初に出したいくつかの企画がボツになり、原作だけでなく絵も描くこととなり、始まったのが『かぐや様』でした。なんなら、自分で絵を描くことになったので、しぶしぶの連載だったんです(笑)。
絵に自信があるわけではなく不安もありましたが、ありがたいことに『かぐや様』の連載を7年半やらせていただいた。ここで改めて原作者としてやっていきたいという思いから、今回の宣言となりました。
ーー『かぐや様』のような作画も含めた漫画制作のどこに限界を感じていたのでしょうか。
僕は絵が得意ではないので、どうしても描けない絵がある。それにネームを描くスピードに比べて、作画で拘束される日数が多くて。何より、やっていて一番楽しいのがストーリーを作っているときなんです。
原作を務める『【推しの子】』の成功も、自信になりました。もしこの作品が大コケしていたら、原作一本でやっていくとは言えなかったかもしれません。
ーー『かぐや様』は大ヒット作になりました。その中で、改めて編集サイドに原作者一本でいきたいと伝えたのはいつ頃だったのでしょうか。
サカイさん、いつ頃でしたか?
(担当編集/ヤングジャンプ編集部・サカイ)文化祭が描かれた14巻以降から、主人公2人の物語は描き切られたという感じは伝わってきました。ただ、まだまだ『かぐや様』で描いてほしい話が、ほかのキャラクターの話であったり、四宮家の深堀りであったりと多かったので、そこでは、まあまあ、と止めたんです。
――担当のサカイさんとしては赤坂さんが原作者一本となることにストップはかけなかったのでしょうか。
(担当編集・サカイ)原作者に専念することについては、赤坂先生のクリエイターとしての生き方なので異論はなかったです。むしろ、2本、3本と原作を担当していただける作品が増えるなら、編集部としてもありがたい面があります。赤坂さんの才能を一番発揮できる形が原作者だと考えているので、良い選択だと思っています。