「燃えろ!波理高(ぱりだか)山ラリーの巻」(ジャンプ・コミックス58巻収録)
今回は、両さんと中川、麗子が過酷なラリー競技に出場するお話をお届けする。
ラリーとは、法規上公道走行が可能な車両でタイムアタックを競う自動車競技で、ドライバーとナビゲーターがコンビを組んでマシンに搭乗する。
本作のタイトルにある「波理高(ぱりだか)山」は、「世界一過酷なモータースポーツ」と称されることもある実在のレース「パリ・ダカールラリー」をもじっている。
同ラリーは、フランスの首都パリを出発し、セネガルの首都ダカールでゴールするという、主にアフリカ大陸で行われていたレースだ。開催地はたびたび変更されているが、名称はそのまま使われ続けている。
本作で両さんと中川が駆るのは、フランスのアルピーヌ社製A110。1970年代前半のラリー界で名を馳せた名車だ。ちなみにアルピーヌは1973年にフランスの三大メーカーのひとつ、ルノーに買収されて傘下に収まっている。
そして麗子が乗るのは、イタリアのランチャがラリー参戦のために開発した名車中の名車、ストラトスHFだ。1970年代の未来志向がそのまま形になったような、まるで小型宇宙船のようなプロトタイプを経て、1974年から量産を開始。全長、ホイールベース(前輪と後輪との距離)ともに極めて短いために回頭性にすぐれており、1970年代中盤以降のラリー界を席巻した。
それでは次のページから、1970年台の名車を駆って両さんと中川が道なき道を激走するお話を、たっぷりとお楽しみください!!