役割が明確な『トークィーンズ』に対し、
自由な『上田と女が吠える夜』

それぞれの出演者、とくにレギュラー陣に求められる動きも異なる。

『トークィーンズ』の場合、女性出演者は毎回基本ほぼ同じメンバーなので、ゲストに対する大まかな攻めの形はでき上がっている。

毎回、事前取材をするメンバーが一人おり、VTR出演しつつパネラー席からそのゲストを掘り下げる。それをきっかけにメインMCである指原莉乃と、いとうあさこがトークの組み立てを行うのが恒例である。

『トークィーンズ』がこの二人を中心としたフォーメーションなのは明白で、(今はなくなってしまったが)番組開始当初は二人だけが振り返るタイトル映像があった。

写真/shutterstock
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残りのメンバーはいってみればガヤポジションで、役割もある程度固定化している。ゲストへの鋭いツッコミは、ゲストの真後ろにいる若槻千夏や3時のヒロイン福田が主に担う。

前列のアンミカは基本ディフェンス役としてポジティブにトークを締める役割だが、時折思い切って放った発言が明後日の方向に行ってしまうこともある。

後列右端に陣取る生見愛瑠は、ゲストに向かっていくというよりは、リアクションとして自らのことを話す場面が多い。レギュラーの中ではいじられポジションで、攻め一辺倒になりがちな番組に変化をつけられる貴重な存在である。

またゲストによってフォーメーションを柔軟に変えることもある。

小籔千豊がゲストの際は、事務所後輩の3時のヒロインでは小籔に言いまかされてしまうと判断。その位置に先輩である野々村友紀子を急遽配置する臨機応変さを見せた。

『上田と女』では、後ろ盾として常に上田晋也がいるという安心感もあり、女性たちは基本自由にエピソードトークができる。

一方で、毎回毛色の違う女性ゲストが複数来るため、女性レギュラー陣はそのカバーに回る場面も多くなる。