ひろしとおばあちゃんの貴重な親子会話
およそ34年間にわたり放送されてきた国民的アニメ『ちびまる子ちゃん』(フジテレビ系)で、主人公・まる子の声を演じてきた声優・TARAKOさんが、3月4日に亡くなった。
これを受けて、3月10日の『ちびまる子ちゃん』は急遽内容を差し替えて、過去の厳選エピソードがアンコール放送されたが、それが涙なしでは見られない“神回”だったと大きな話題となっている。
今回放送されたのは、2015年に放送された第998話『おばあちゃんの誕生日』の巻。翌日がおばあちゃん(さくらこたけ)の誕生日ということで、その前日にまる子が誕生日プレゼントを用意しようとするストーリーだ。
いつもの無駄遣いでお金がすっからかんのまる子は、伝家の宝刀「肩たたき券」を用意することに。だがその準備の途中、こたけが今まで家族からもらったプレゼントを、押し入れで大切に保管していることを知る。その中には、以前まる子が渡した「肩たたき券」も入っており、まる子はなんだか胸が痛くなる。
その晩、夜桜を見に出かけていたおばあちゃんだったが、一緒に行く予定だった友人の体調不良で急に夜桜を見られなくなり帰ってきた。そこで誕生日当日は、家族で夜桜を見ながら外でご飯を食べることにした。
こたけを外に誘いだしたのは、息子・ひろし。夕方の道を、こたけと2人きりで歩くひろしは、いつものようにぶっきらぼうながらも、少し様子が違う。
神社を通りかかると、2人はひろしが子どもだった頃を振り返る。ひろしは「歳とったな」と、こたけに語りかけ、こたけも「おたがいさまじゃよ」と返す。
公園で家族に合流すると、それぞれが思い思いのプレゼントをこたけに渡す。その夜、こたけは今日の日を宝物として、桜の花びらを紙に包み、また押入れにしまうのだった。