卒業をシステム化した「モーニング娘。」

卒業ソングが時代によって変わるように、アイドルの卒業も変化してきている。特に近年、アイドルがグループからなかなか卒業しなくなっている。

数多のアイドルグループに先駆けて、メンバーが脱退することを「卒業」という言葉で表すようになったのが、1985年に結成された「おニャン子クラブ」だ。中島美春、河合その子がグループを脱退する際には、コンサートで卒業式を行った。それ以降、メンバーが脱退する際に卒業という言葉が使われるようになった。

おニャン子クラブを生んだフジテレビのバラエティ番組『夕やけニャンニャン』のコンセプトは“放課後のクラブ活動”であり、メンバーはほぼ10代。グループから離れると同時に芸能界自体から引退をする者も多く、まさに文字通り“卒業”だった。

こうしたアイドルの卒業をシステムとして導入したのが、1997年にテレビ東京のオーディション番組『ASAYAN』から生まれた「モーニング娘。」だ。

モーニング娘。のインディーズシングル『愛の種』
モーニング娘。のインディーズシングル『愛の種』
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モー娘。の卒業システムはおニャン子の影響と言われることも多いが、所属事務所であるアップフロントエージェンシーの山崎直樹社長(現アップフロントグループ会長)は当時の日経新聞やサイゾーのインタビューの中でメンバーの卒業、新メンバーの加入について「80年代のアメリカの男性アイドルグループのシステムを真似た」と話している。

この卒業、新加入というシステムを導入することで、モー娘。というブランドは残しつつ、新鮮なメンバーを加入させることでマンネリ化を防ぎ、グループへの興味を持続させることができるようになった。

この結果、それまでアイドルのグループとしての活動期間はキャンディーズは6年、ピンク・レディーは4年7か月、おニャン子クラブは2年半だったが、モー娘。は26年と、四半世紀を超えるほどの長寿グループとなった。

そして、このグループの長寿化とともに起こったのが、アイドルの在籍期間の長期化だ。