年末の風物詩のひとつ「流行語大賞」が示すCMの危機

 

今年もまた流行語を振り返る季節がやってきた。

ノミネートの言葉を見ては、やれ「こんなの知らない」とか、やれ「全然流行ってないだろ」とかみんなでわいわい言うことも含めて、11月から年末にかけての恒例行事になっている。

どの言葉が候補になるかは、選者の目が入っているので、納得感のないものが数個は入っているのが常である。

以前、ユーキャン新語・流行語大賞において、ぼる塾・田辺さんの「まぁねぇ〜」がやくみつる審査員の激推しでノミネートされたが「そんなに流行ってなかっただろ」と批判を浴びたのは記憶に新しい(その後、田辺さんが「やくさんに申し訳ない」と気に病んだというエピソード込みで味わい深い話である)。

余談ついでに、個人的に新語・流行語大賞で印象に残っているエピソードは、約10年前、審査員の某政治学者が当時一世を風靡していた「壇蜜」を知らず、何かの液体だと思っていたという話である。

そんな流行語大賞だが、近年私がとても気になっていることがある。
それは「CMから流行語がまったく生まれなくなっている」ということだ。

ユーキャン新語・流行語大賞のトップ10を振り返ってみると、この10年、CMから生まれた流行語はゼロで、2013年に大賞をとった林修の「今でしょ!」が最後である。