#1「全国ネットのワイドショーの裏側」はこちら
#2「テレビで放送の罰ゲームは”いじめ”を助長するのか」はこちら
#3「海外ロケの不思議なお約束とは」はこちら
テレビを見ない若者がそれでもテレビ業界を志望するのは
「まだウェブ動画の業界より待遇がいいから」
若者のテレビ離れが言われてずいぶんになりますが、ではテレビ業界に就職したい若者がいないかというとそんなことはありません。私は大学その他で教員や講師をしているので、メディア志望の学生さんたちと接する機会が日常的にありますが、彼らは就職活動においてテレビ局をはじめとするテレビ業界を就職先として重要視しています。
では学生たちはテレビ番組を見ているのか? というと人によります。そんなにテレビを見ていない、あるいは、まったく見ていないという人もテレビ業界を志望することが多いのでおかしな具合ですが、話をよく聞いてみると彼らにもテレビを目指すちゃんとした理由があります。
それはなにか? というと簡単に言えば「お金」です。テレビがそんなに好きではない学生たちは、テレビ業界の待遇がいいからテレビ業界を狙うのです。
本当なら彼らが就職したいのはテレビ制作会社ではなく、ウェブ動画の制作会社やユーチューバーの事務所だったりします。しかし、まだ現状ではそうしたウェブ動画周りの会社は小さくて不安定なところが多い。
ユーチューブ制作の会社などでインターンをしてみたけれど、みんな死ぬほど忙しそうで、自分は右も左もわからない学生なのにガンガンこき使われた。お給料もどうやらかなり安そうだ。こんなところに就職していいのだろうか……といった相談を学生から受けたことが何回かあります。