なぜか改善されない荷待ち
――実際に走っている時間よりも、荷下ろし・荷積みの際の荷待ちの列がドライバーの労働時間を浪費させていると報じられています。問題に対応するため、あらかじめ到着時間を予約する「トラック予約受付システム」(バース予約システム)を導入する荷主さんもいるとか。
いまはまだ、そういう荷主さんもいらっしゃる…という程度ですね。全体の数パーセントだと思います。
そんなシステムを導入しなくても、「何時に積み込んで、何時に下ろす」という荷主さんからの指示時刻を、トラックごとに少しずつずらすだけで、違ってくるはずなんですけどね。なぜかそれが出来ない。
――列に並んで、自分の順番が来るのをだらだらと待つことになる現状は変わっていないと。
そうですね。その間は仮眠も取れないですし、ドライバーにとっていいことはひとつもないんです。なのになぜか一向に改善されず、そのやり方が昔からずっと続いています。
――1台ずつ時間を決めたとき、その時間に遅れるドライバーさんがいると、結局長い列を作ることになるんじゃないかという危惧が荷主さん側にあるのでは?
ドライバーが約束の時間に遅れることは、基本的にはありません。ドライバーにとってはそこが矜持、みたいなところがありますから。
もちろん天災や事故による渋滞、ドライバーのミスで納品時間に遅れてしまうこともありますが…。でももう少しドライバーが働きやすくなるように、業界全体が変わっていってほしいですね。労働時間に制限をかければいいという話ではないと思っています。