今から約1年前の2023年4月、渋谷区のランドマーク的存在となっている「東急プラザ表参道原宿」で、第1期生の入学式が行なわれた「渋谷女子インターナショナルスクール(通称・シブジョ)」。

同校では「渋谷から世界へ」というテーマをかかげて、「起業家」「クリエイター」「グローバルインフルエンサー」の3つのカリキュラムに力を入れており、このジャンルで将来的に活躍できる人材を育てているという。

そんな、”シブジョ”に通う生徒たちのなかには、ふつうの学校に馴染めなかった子も多く在籍している。多種多様な生徒たちが集まる”シブジョ”を開校した理由について、同校の校長をつとめる赤荻瞳さん(27)に聞いた。

赤荻瞳さん
赤荻瞳さん
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校則はありません

――「渋谷から世界へ」というテーマに込めた気持ちを聞かせて下さい。

昔は世界で活躍するとなると、「お金をためて荷物をたくさん持って飛行機に乗る」というイメージでした。でもいまはスマホひとつで海外に挑戦できる時代です。私を育ててくれた渋谷への愛と、「若い世代の子たちが世界で通用するような人材になってほしい」という願いから、「渋谷から世界へ」という目標を掲げています。(赤荻さん、以下同)

――具体的には、どのようなカリキュラムが?

学校としては通信制のサポート校というくくりになるので、高卒の資格は提携校のレポートを提出することで取得してもらいます。生徒さんには週に4回ほど、ここ(東急プラザ表参道原宿)の教室に通ってもらっています。

授業内容は「SNS」「英会話」「動画編集」などがメイン。学期ごとにカリキュラムは変わりますが、普通の高校では勉強できないようなスキルを習得し、社会に出たらすぐに活躍できる人材になってほしいと思っています。

教室にて
教室にて

――そもそも、なぜ”シブジョ”を開校しようと?

今の子たちは、自分と同じような思いをもった子たちとつながれる場所が意外と少ないと思ったんです。

私自身は学生時代ギャルサーに所属し、10代のころから大人や同世代のいろいろな価値観の人たちと出会って成長できたと感じています。でも、いまは逆にSNSでの繋がりだけで終わってしまって、リアルにコミュニケーションを取れる場所が少ない。

「新しい環境でチャレンジしたい人たちや、今の環境に馴染めていない人にも楽しんで勉強できる居場所を」と思い、シブジョを立ち上げることにしました。

――”シブジョ”には、校則はあるのですか。

校則は今のところありません(笑)。学校の制服はありますが、私服でも登校可能です。ピアスもオッケーですし、7割くらいの子は髪の毛染めてますね。

――かなり自由な校風ですね。

基本的には「なにごとも自分たちで考えさせる」ということを意識しています。例えば、入学式も、登校した初日に「なんのために入学式をやるのか?」「どんな入学式にしたら、ご両親に感謝を伝えられるのか?」ということを生徒たちと話し合いました。

学校の行事は、先生の指示に従ってやるものだと思うのですが、「なぜやるのか?」ということを考えてほしくて、生徒たちと毎週ミーティングして、4月28日の「渋谷の日」に入学式をしました。