“バイト探し”感覚で利用する大学生も

累計利用者数700万人を突破するなど、スキマバイトサービスは大手のA社が市場をほぼ独占している。

A社を通じてバイトをしたことがある50代の男性はこう話す。

「一番の特徴は、働くにあたって面接や面談がなく、履歴書提出も不要なこと。運転免許証などの身分証明さえあれば手元のアプリで登録でき、すぐにバイトを探して予約できる手軽さはいいですね。もちろん利用料はタダです」

A社に登録し頻繁に複数のバイトをしているという40代の女性も、その利便性をこう説明する。

A社の求人募集画面
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「派遣や普通のバイトなら、賃金を手にできるのは数日後になるか、当日でも勤務記録を提出したり支払い請求をしたりという手続きを踏まないと受け取れない。

でもA社は、勤務時間が終わってバイト先に用意されているQRコードをスマホで読み込めば、その時点で給料を受け取れます。帰り支度をしながら5分後にはアプリのマイページを通じて受け取り、すぐに口座に移せるスピード感は魅力です」

なぜそんなに早く賃金を支払えるかというと、ワーカーへの支払いはA社が立て替え、企業側が月末締めで翌月に一括してA社へ賃金を支払う仕組みとなっているためだ。

退勤後の簡単手続きで報酬がすぐに受け取れる
退勤後の簡単手続きで報酬がすぐに受け取れる

「僕の大学ではけっこうやってる人多いですよ。授業と授業の間の空きコマに短時間で働けるから、効率よく稼げるって評判です」と言う20代の男子大学生は、「A社でいろんな仕事を試してみて、もし気に入ったものがあればそのバイトの正規の面接を受けてみようと思っています」とも話した。

派遣会社は、登録社員が派遣先企業と直接雇用契約を結ぶことを厳禁しているが、A社のサービスでは、企業側がアプリを通じてバイトに入った人を直接雇うことができるとしており、利用者は「バイト探し」の感覚で仕事に入ることもあるようだ。