早稲田大学を目指すも、高3のときに堕胎がきっかけで… 

むりのみゆ氏は東京都に生まれた。兄と両親、ごく普通の家庭で育ったという。

「ここまで刺青を入れていると、『どんな家庭で育ったのか』と驚かれるのですが、極めて普通の家庭で育ちました。もちろん不良でもありません。小学校から高校までそれぞれ別の原因でいじめられていたくらいです。ちなみに勉強も好きで、高校時代は兄が通っていた早稲田大学へ行こうと思って勉強していたんです」(むりのみゆ氏、以下同)

現在の姿と勉強好きが結びつかないが、高校時代、早稲田大学の文系学部をその射程に捉える偏差値を大手予備校の試験で叩き出していた。そんな彼女は学生時代、こんな理由でいじめを受けていたという。

「小学校高学年のことです。転校生に、いわゆるハーフの子がいました。純粋な日本人ではないことで、すぐにからかいの対象になりました。ある日、私は『ちょっと違うんじゃないの?』と思い、その子を庇うようなことがあったんです。いけ好かないと思われたのか、今度は私がいじめの対象になりました。

中学時代のいじめは、私を気に入ってくれた男子のことが好きだった“スクールカースト一軍女子“に目をつけられたことが発端でした。『人の彼氏を取った』とか噂を流されてしまって。私は基本的にクラスのなかでもキラキラするタイプではないので、目立たないようにひっそりと生きてきたんですけど」

むりのみゆ氏 撮影/黒島暁生
むりのみゆ氏 撮影/黒島暁生
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高校時代は、担任の女性教師からのいじめを受けた。さぼり癖がついていたみゆ氏は単位が取得できるすれすれの日数で登校することを繰り返していて、「その小賢しさが教師の癪に障ったのでは」と分析する。その後、高3で中退し、通信制高校へ編入。だがこの中退は、担任によるいじめだけが原因ではなかった。

「親にさえ打ち明けていないのですが、高3のときに堕胎を経験しました。当時交際していた人との子どもです。誰にも言わず、ひっそりと子どもを堕ろしました。さまざまなことが重なって、心身に支障を来したことで高校を中退したんです」

その後、通信制高校から進学した大学は、かつて兄の背中を追った早稲田大学とは別の女子大学。早稲田大学は受験さえしなかった。