出馬の自腹費用12万円の内訳

最後に僕が出馬するにあたり、選挙にかかったお金(自腹分) をお伝えする。下記に記載されていないもの(選挙ポスターやビラの作成費等)は公費で賄われている。

公務たったの38日で年俸762万円。準備1か月、自腹費用12万円で市議会議員に当選した現職議員が「なり手不足の地方議員は若者にとって超ブルーオーシャン」と言える理由_8
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①ライブ用スピーカー一式:59,400円
②照明機材及び人件費:30,000円
③ビラ(A4サイズ)の新聞折込み代:9,549円
④たすき、のぼり代:18,184円
⑤雑費:4,962円

合計122,095円

【2019年秦野市議会議員選挙立候補者の平均支出額】
約875,359円(小数点以下四捨五入)


一般的に選挙というとすごくお金がかかるイメージがあるが、12万円である。

地方選挙はやり方によって12万円で当選できるのだ。供託金(出場料)だけで何百万円もする国政選挙に対して、一般市民にでも無理なくはじめられるのが地方選挙である。

2019年8月に僕が出馬するにあたり、協力してくれる仲間がいなければ僕はスタートラインに立つことすらできなかったであろう。有機農家、ナチュラル志向の都心からの移住者、教育問題に意識の高いママさんなどが集まって協力してくれた。後援会などの組織もなく、同級生や仕事仲間もいない

完全アウェーの地で協力してくれる仲間がいたことはすごくありがたかった。

市内269箇所ある掲示場に選挙ポスターを貼る作業は僕一人では到底無理だったし、街頭演説も一人孤独にならずに済んだのは彼らのおかげだった。これらはすべてボランティアであり、そこが一般的なこれまでの選挙運動との最大の違いだ。どの政治団体、企業、 組織にもお世話になっていない。

企業やある特定の組織から支援または寄付を受ければ彼らが議員をコントロールする。逆に市民に支えられれば市民が議員をコントロールする。簡単に言うとそういうことなのだが、この差は実際に議員になってみるとよくわかる。

僕はひとつひとつの政策や議案に純粋に誰の目も気にすることなく、これが市民にとって本当にメリットがあるのかどうかを真剣に考えるだけだ。それに対して、既に選挙でお世話になっている組織や政党があればどうしても彼らの立場(損得)を考えた上での発言や議論にならざるを得なく、結局はポジショントークになってしまう(「議員の仕事」の章で詳しく述べる)。また、実際にそういう場面をたくさん見てきた。

大切なのは、我々議員は一般市民の代表者であって、ある特定の組織や政治団体の代表者ではないということ。もちろんある特定の組織を支えているのも同じ市民である。しかし、投票率が有権者の半分(50%)を下回るような選挙で選ばれる議員というのは、特定の政党や企業などの組織票を持つ議員がそのほとんどである。

2019年秦野市議会議員選挙の投票率は、約41%。

あなたは自分の代表者をきちんと議会へ送り込めているだろうか。

文/伊藤大輔

『おいしい地方議員』(イースト・プレス)
伊藤大輔
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