井手元県議は平成11年に熊本県議会議員初当選後、平成31年に6期目の当選。県議会議長も務めたベテラン県議である。
そのベテラン県議が2023年1月6日、議員辞職した。タクシー運転手に対する暴言が問題視されていたが「私の軽率な行為で後援会の皆さま方、議会の皆さま方にご迷惑をおかけしました」と述べ、辞職理由については明かさなかった。
飲酒後に乗ったタクシーのドライブレコーダーに記録された映像には、車内で行き先を間違えた運転手に対し、「ばかたれ」などと暴言を吐く井手元県議の姿が残っていた。
被害にあったタクシー会社の配車担当者が語る。
「24日は会合があった料亭から配車の依頼が来て、運転手が迎えに行きました。運転手が到着してから3分後には井手さんは乗り込んできて、乗車時はとくに態度が悪いということはありませんでした。
井手さんからは沖新町に行くように指示され、右へ一度曲がるように言われたので運転手はその通りにしました。本来、沖新町へ行くにはその後、右へ2度曲がらないといけないのですが、何も言われなかったので、運転手は天明沖新(別の地域)だと思ったようです。
乗車して4分後くらいに行き先が違うことに気付いた井手さんは突然、暴言を吐きだしたんです。『うち殺すぞ』は2回言われて助手席も蹴られました。井手さんは『自分の名前を名乗ったんだから家もわかるだろ』と言っていましたが、常連でもないのに無茶ですよね……」
叫びだした井手元県議に対し、運転手が無線で警察を呼ぶように要請を出すと、一度は冷静になったという。
「警察を呼ぶとなったら一度、井手さんはタクシーから降りて外にいたのですが、3分後また、『家まで送ってくれ』とタクシーに戻ってきました。運転手はそこの時点でメーターを切っていたようです。この頃は井手さんも道の指示を出せるくらいには冷静になっていました。とはいえ、ほろ酔いの状態で『〇〇さん、頼むばい』と運転手の名前を連呼していました。ただ、何に対しての『頼むばい』なのかはわかりませんでした。
自宅に到着して1990円の支払いを2000円で支払ってもらいました。しかし、お釣りも領収書も受け取らず、スマホを取り出すとダッシュボードの運転手証を撮りだしました。『警察を呼んだから訴える』と言うので、やめてくださいよ、と告げると『いや、訴えるけん。訴える。訴える』と言いながら降車していきました。今のところ会社や運転手に対して謝罪はありませんね」