図で見る議員の「報酬格差」

令和元年度12月に行われた秦野市議会第4回定例会では、議員の期末手当の賃上げを議員自らが提案し、賛成多数で可決された。びっくりするのが自分たちの報酬、手当は自分たちで決められるシステムなのだ。

もちろん可決したということは、現在の報酬を「少ない」と思っている議員が多数だということである。その賛成理由としては、「若い世代や多様な人材が議員をこころざし、市民の負託に応えて、より議員活動がしやすい環境整備をするため」と議事録には記載されている。

このステレオタイプな説明に納得のできる市民はいるのか。

議員報酬に対する一般市民の風当たりは強く、「税金泥棒」などと安易に言われかねない。実際に議員になる前の僕もそう思っていたし、それは市民と議員の不幸な関係性である。

基本的に議員というのは、普段自分たちの報酬のことをあまり話したがらない。 しかし、我々には自分たちの報酬に対するアカウンタビリティー(説明責任)がある。それがきちんと果たせない限り、議員に対する市民の信頼感など生まれるはずはない。 下図を見てください。

公務たったの38日で年俸762万円。準備1か月、自腹費用12万円で市議会議員に当選した現職議員が「なり手不足の地方議員は若者にとって超ブルーオーシャン」と言える理由_5
出典:産経ニュース(総務省「地方公務員給与の実態」から作成)

都道府県議会議員の報酬を「1」とした場合、市議会議員 「0.5」、町村議会議員「0.25」である。 町村議会議員の平均報酬月額は20万円余り。これでは議員を専業として生活していくのは厳しいと言わざるを得ない。それに対して都道府県議会議員の平均報酬月額は約80万円。

この「報酬格差」は「労働の質の差」なのか「議員の格の差」なのか。あるいはこれくらいの報酬額を出さないと「なり手」がいないなど、需要と供給の関係で決まる賃金のようなものなのか。いずれにしても、これでは「報酬格差」があまりにも大き過ぎる。