自民すり寄りを強める連合・芳野会長
立憲民主党とその最大支持母体である連合の関係がさらにぎくしゃくとしている。
昨年の衆院選で、立憲が政権を取った場合、共産党と「限定的な閣外からの協力」を行うと合意し、候補者調整を進めた。これに共産アレルギーの強い、連合の芳野友子会長が反発して以来、立憲と連合の間には冷ややかな空気が流れている。
さきの衆院選では自民党から「立憲共産党」というレッテルを貼られた立憲は比例票を減らすなどで惨敗し、獲得議席は96議席(14減)に落ち込んだ。この結果を受け、芳野会長が立憲執行部にさらなる共産離れ、そして国民民主との連携強化を迫っていた。
今年に入ると芳野会長の動きはさらに加速し、連合の新年交歓会では13年に安倍晋三首相(当時)が参加して以来、実に9年ぶりに岸田文雄首相が出席した。岸田首相は壇上で「参院選では連合に協力を仰ぎたい」と自民と連合の急接近を匂わせるあいさつをして立憲関係者に衝撃を与えた。
一方の立憲・泉健太代表は来賓として紹介されるのみで、ついに壇上に呼ばれることはなかった。13年の新年交歓会では安倍首相と並び、旧民主・海江田万里代表も壇上に上がり、新年の抱負を雄弁に語っていたのとは対照的な光景だった。
その後、芳野会長は官邸を訪問して岸田首相にお礼のあいさつをし、さらに麻生太郎副総裁や小渕優子組織運動本部長らとの会食を繰り返している。