年俸762万円・労働日数38日・兼業OK

たとえば、次のような求人広告があったとする。

年俸:762万円
労働日数:38日(注1)
任期:4年間
兼業:あり
募集定員:24名
競争倍率:1.17倍

(注1)秦野市議会(令和元年度)の開会及び会議等日数。

仕事の内容はともかく、どうだろうか? 

「おいしい仕事だ」と思った人もいるだろう。

特筆すべきは、年俸を労働日数で割ると、日給およそ20万円。さらに時給換算すると、 約2.9万円/時(勤務時間9時~17時、休憩1時間の1日7時間労働と仮定)。

経験上、議会の開会日や議員連絡会は、ほぼ午前中に終了し、委員会や一般質問のある日でも17時を回ることは稀なので、実際の時給はおそらくもっと高い。 こういう話をすると、「議員の仕事は議会活動だけではない」という声がすぐにでも飛んできそうなので、あらかじめ断っておくが、「議員の仕事で一番大切な仕事も議会活動である」。 下図を見てください。

公務たったの38日で年俸762万円。準備1か月、自腹費用12万円で市議会議員に当選した現職議員が「なり手不足の地方議員は若者にとって超ブルーオーシャン」と言える理由_3
※全国市議会議長会調べ ※不明には、各市議会事務局で兼業している職業を把握していない場合や議員専業か兼業か自体を把握していない場合などが含まれる。

地方議員は「兼業あり」であるにもかかわらず、市議会議員の約44%は議員専業である。町村議会議員→市議会議員→都道府県議会議員の順に専業率は高まる傾向にある。

僕は写真家を続けながらこの仕事をしているが、昨今の自由な働き方を考えると、現在の仕事を続けながらでも十分に議員の仕事を兼業できる人は多いのではないか。