謎の多い議員報酬

◎謎の多い議員報酬

【秦野市議会議員報酬】
月額:44万4千円
年額:532万8千円
期末手当(年2回):約114万5千円×2
報酬(年額)と期末手当の合計:約762万円


下図を見てください。

公務たったの38日で年俸762万円。準備1か月、自腹費用12万円で市議会議員に当選した現職議員が「なり手不足の地方議員は若者にとって超ブルーオーシャン」と言える理由_4
出典:「市議会議員報酬に関する調査結果」全国市議会議長会

※平成29年8月に実施した調査によると市議会議員の平均年齢は59.6歳。市議会議員初当選時の平均年齢は50.2歳。

議員報酬は人口の数に比例し、各自治体によって違う。秦野市 の人口は約16万人。まずはあなたの街の議員が実際にいくらもらっているのかを確認して いただきたい。

常勤職である国会議員には歳費(給与)が支払われるのに対して、非常勤である地方議員には報酬が支払われる。この本のテーマは地方議員なので、国会議員の給与には言及せせず、あくまで地方議員の報酬にフォーカスして話を進めたい。

報酬とは本来、労働の対価として労働日数に応じて支払われるべきものである。それがなぜ月額で支給されているのか。なぜ非常勤なのにボーナスまで支給されるのか。疑問点は多い。 議員報酬を給与として考えるべきなのか、それとも労働の対価として考えるべきなのか。そこが大きい。

しかし、議員は落選すると失業保険も健康保険もないタダの人。議員年金は廃止され、 退職金もない。現在の秦野市議会議員の平均年齢は 62.4歳(令和2年4月1日)。落選したら多くの議員は再就職先を見つけることすら困難であろう。

報酬だけで生活する専業議員の不安(リスク)は大きく、この不安が議員を保身へと走らせ、ベテラン議員が若手へ席を譲らないなど新陳代謝の阻害に繋がっているとしたら、今の制度自体を考え直さなければならない。

では、実際に議員は自分の報酬をどうみているのだろうか。