提案し子どもに委ねる教育スタイルへ
――息子さんに変化が出たのはいつ頃だったのでしょうか。
不登校から2カ月経ったぐらいですね。徐々に外にも出かけられるようになったので、昔から好きだった科学館でプラネタリウムを見たりして一緒にたくさん遊びました。不登校ってよく「親のせいだ」とか言われて親御さん自身もふさぎ込むことが多いと思いますが、子どもって親のメンタルに左右されると思うんです。
だから、不安はあるんだろうけど、罪悪感を感じずに遊べるときは遊んで、楽しめるときは楽しんでほしいなって思いますね。
――そこからどのように不登校の状況を脱したんでしょうか。
外に遊びに行けるぐらい元気になったタイミングで、もともと通っていたフリースクールに通うようになりました。そこで大人と将棋で遊んだり、好きな算数の勉強をしたりして、大人が偏見なく寄り添ってくれたんですよね。そこから息子も自信を取り戻していきましたし、私と一緒に遊んだ期間も「学校に行かない僕でも、ママは嫌いにならないんだ」という安心感を感じていたらしく、徐々に大人への信頼を取り戻していきました。
――小学6年生の今では毎日学校に行かれているということですが、その後どのように復学されたんですか。
小学4年生のときは週1回、算数の先生のクラスだけ通っていたんですが、5年生で担任が変わったことがきっかけで、通えるようになりました。ただしばらくは「行けるときに行く」「しんどかったら帰る」という独自のルールのもとで登校してましたね。習いごとはすべてストップしてました。
――不登校の経験を通じて得たものはありますか。
息子自身は不登校の期間を通じていろんな大人と接したことで、決断力も付きましたし、「自分は他の子と違って大丈夫」と理解できたと思います。私自身は息子に提案はするけど、最後は自分で決めてねというスタンスに変わりました。不登校期間のカウンセラーの先生のアドバイスがなければ、今でもよかれと思ってアドバイスをし続けたり、待つということができなかったかもしれません。