夏休み明けは「最大のリスクがある日」
「夏休み明けは統計上、子どもにとって最大のリスクがある日と言えます」と『不登校新聞』代表の石井志昂さんは訴える。文部科学省によると、令和2年度に「小・中・高等学校から報告のあった自殺した児童生徒数は415人(前年度317人)で、調査開始以降最多となっている」(「令和2年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸問題に関する調査結果の概要」より一部抜粋)とし、「1年間の自殺者数の推移を見ると、飛び抜けて夏休み明けが多い。厚生労働省も指摘しています」と石井さんは言う。子どもの周りにいる大人たちができることは何だろうか。
「まず気をつけなければいけないのは、子どもはわかりやすいSOSを出してくれないんです。言葉で『助けてほしい』や『学校へ行きたくない』とはなかなか言えない。もし言った場合は最終通告になりますから、大切に受け止めてください。次に、夏休みに入った頃と夏休み明け前後の様子を見比べてみてあげてほしいです。そうするとその子がどんな状態なのか、判断がつくと思います」
子どもからのSOSを待つのではなく、様子を見守る中で声をかけることの重要性を説いた上で、「学校や将来に対する考え方を親から子へ伝えてあげてもいいのではと思うんですね」と続ける。
「私自身もそうでしたけど、子どもって学校で成功しないと人生が終わり、くらいに思っているわけです。そういう子どもは親も自分のことをいらないはずだとさえ思い込んでしまう。でも当然親からしたらそんなことはないですよね。その部分を改めてはっきり子どもに伝える。あなたの命より大事な学校なんてない、と。あなたの命が一番で、学校で苦しいことがあったら休んでいいし、何かあったら迷わず相談してほしいと。目を見てはっきりキッパリ、短時間で伝える。これが基本だと考えます」