伝説の「早慶6連戦」とは?

神宮球場の歴史を振り返る書籍や資料を整理していると、しばしば「早慶6連戦」についての記述が飛び込んでくる。60年11月6日から12日まで、1週間にわたって早稲田大学と慶應大学の間で行われた、熾烈な優勝決定戦である。

この年の東京六大学秋季リーグは異様な盛り上がりを見せた。

早稲田、慶應とも順調に白星を重ね、最後の直接対決までに、慶應は8勝2敗で勝ち点は4。
対する早稲田は7勝3敗、勝ち点3で両校は激突する。慶應が連勝、もしくは2勝1敗で勝ち点を挙げれば、文句なしの完全優勝が決まる。一方の早稲田は連勝すれば逆転優勝となるものの、2勝1敗では両校の勝ち星が9勝4敗、勝ち点4で並び、優勝決定戦にもつれ込む。

伝説の早慶六連戦が行われたのは今から65年前。舞台はここ神宮球場(撮影:佐藤創紀/朝日新聞出版写真映像部)
伝説の早慶六連戦が行われたのは今から65年前。舞台はここ神宮球場(撮影:佐藤創紀/朝日新聞出版写真映像部)
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早稲田大学野球部主将・徳武定之(定祐)は期する思いを胸に神宮球場のグラウンドに立っていた。学生生活の集大成として、そして有終の美を飾るべく「最後の決戦」に挑んでいた。本人が当時を述懐する。

「早稲田大学というのは質実剛健だから、ガムシャラに泥臭く、粘り強く戦っていく野球。よく慶應と比較されるけれど、その点は好対照だと思いますよ。だって、慶應はスマートだから。もちろん、闘争心は胸に秘めているんだけど、どこか紳士的なところがある。だけど、僕の場合はバッターボックスに入るときでも、相手投手を威圧するような態度でした。キャプテンとしても、言葉ではなくプレーで引っ張っていくタイプだったので、そういう点では早稲田のチームカラーを体現した選手だったと思いますよ」