「そういう家庭もあるんだよ」
スウェーデンはジェンダーに関する研究において先進的な国であり、学校で性教育を学ぶことが必修化されて50年以上の歴史がある。小中学生から包括的性教育を受けているため、「知識を持った大人が多いと思います」とスウェーデンに暮らすみっつんさんは答える。
『RESPECT〜』を翻訳し、YouTubeで「ふたりぱぱ FutariPapa」として同性パートナーと息子くんとの暮らしをシェアしているみっつんさん、息子くんは6歳を迎えた幼稚園生だが、幼児教育に関わる先生たちからも同じことを感じるという。
「4歳の頃だったと思います。幼稚園で『赤ちゃんはママから生まれてくる』と習ったようで、友だちから『ふたりぱぱだと、どこから生まれてきたの?』と息子が聞かれたことがありました。息子は『わからない』と正直に答えたそうで、僕たちのことや代理母出産について話すべきタイミングがきた!と思い、話をしました。
パパ同士では子どもを産めないこと、協力してくれる人を見つけたこと、息子くんを産んでくれた人はアメリカに住んでいること、妊娠中から僕たちと頻繁にやりとりしながら君を授かってくれたこと……妊娠中を記録したアルバムをめくりながら、ゆっくり説明したら、彼なりに理解してくれました。
後日、幼稚園で友だちに『僕を産んでくれた人はアメリカにいるから、僕にはパパが2人いる』と話してくれたようです。それを聞いてくれていた先生たちも、『そういう家庭もあるんだよ』と優しくサポートしてくださったようで。幼稚園や先生側に、僕たちの家庭のことを特別視されたことは一度もありませんし、要望を伝えたこともありません。幼児教育に関わる先生も知識があるので、安心して任せられます。」