漫画家・つげ義春、世界へ
2019年はマンガファンにとって「つげ義春の年」として記憶されるだろう。
長い間、ほんの少しの例外を除き、外国のファンはつげの物語を日本語でしか読むことができなかった。しかし、今年からフランス語版(訳注=版元はCornélius)と英語版(訳注=同Drawn & Quarterly)がついに出版開始される。どちらも1965年から1987年までの全作品を収録(訳注=全7巻)。これらの翻訳の承認をつげから得られるよう説得するのに、実に約10年がかかっている。
この81歳(インタビュー当時)の作家は、その波乱に満ちた人生と作品の特質の両方から、一種の「異才」と見なされている。最後のマンガを描いてから30年以上が経つつげは、マスコミやマンガ界とのほとんどすべての接触を拒否し、親しい友人の間で連絡を取り合うだけで、世間の監視から「消える」ことを試みている。「ZOOM JAPON」が、彼の住んでいる調布でこの独占インタヴューのために会うことができたのは非常に幸運なことであった。
編集者の浅川満寛には、今回の会見に欠かせない協力をしてもらい、会話の場にも同席いただいた。