「結婚生活のスタートは、同時に闘病生活のスタートだった」
35歳の節目となる今年、4年間の結婚生活に終止符を打ち、新たな人生のステージへと進むことを決めた大阪府在住の女性・モモナガさん(仮名)。30歳で結婚した2歳年下の男性と離婚が成立して半年、再び独り身に戻った今の心境を聞いた。
「『35歳バツイチ・一人暮らし』って状況に、怖さを感じています。周りの友人はキャリアを積んで子育てもしている。それに対して今の私はどちらもまったく無縁の境地にいるなって、すごく孤独ですね。
それに一度離婚を経験すると、新しい恋愛も怖い。また人を純粋な気持ちで愛せるのかなとか、好きな人ができても他人と一緒に暮らせるかなとか不安な気持ちが大きくて、今は再婚っていうのは考えられないですね」(モモナガさん、以下同)
東京の大学を卒業後、実家のある大阪に戻り、水族館や飲食店のバイトをしながら、四国のお遍路や東南アジアにバックパック一つで一人旅するなど、自分の興味の赴くままに20代を過ごしたモモナガさん。
「30歳」という年齢を強く意識するようになった27歳の頃、「手に職をつけよう」と福祉関係の資格を取得し、プライベートでは「30歳までに結婚して子どもが欲しい」という思いから、本格的に婚活を始めた。
当時、そこまで主流でなかったマッチングアプリに登録し、そこで初めて出会ったのが、2歳年下の介護職員の男性。それが、元夫だった。初デートで告白され、交際を開始。交際中は別れの危機もあったというが、同棲半年を経て30歳の時に結婚。お互いの勤務地の中間地点となる兵庫県西宮市で新婚生活をスタートさせた。しかし、そこからはモモナガさんにとって苦悩の連続だった。
当時はコロナ禍で、障がい者施設の生活支援員として勤務していたが、疲労が取れず、微熱や倦怠感にたびたび襲われた。職場を前にすると動けなくなって早退を繰り返した。心療内科を受診し、「適応障害」と診断されたことで3カ月の休職に入ったが、症状は一向に改善せず、そのまま退職した。その後、改めて受診したところ「双極性障害」であることが判明した。
「私にとって結婚生活のスタートは、同時に闘病生活のスタートでもあったんです」
夜間中は突然の発作に襲われて泣き出したり、感情のバランスが取れずに家を飛び出してしまうこともあった。そんなモモナガさんのため、元夫は夜勤のない職場に転職し、いつも優しく寄り添ってくれた。