高市総理の秘書問題で野党が審議拒否、終盤国会は緊迫
「国旗の損壊等の処罰に関する法律案」、いわゆる国旗損壊罪処罰法案が6月30日に、自民党と日本維新の会などの賛成多数により、衆院本会議で可決した。野党は高市政権の国会運営に反発し、審議拒否を続けている。採決には、全野党が欠席した。国会が異常事態となる中、参院での可決を危ぶむ声も出ている。
こうした異常事態はなぜ生まれたのか?
野党が審議拒否を始めた背景には、高市総理の公設第一秘書が関与したとされる「サナエトークン問題」や「中傷動画問題」がある。高市総理が6月22日の国会答弁で、「秘書の陳述書を国会に提出し、それをもって答弁に代えさせてほしい」と述べたことから、“国会軽視”との批判が高まり、野党は態度を硬化させた。
「一連の問題を国会で追及されると、高市総理は『週刊誌報道をいちいち確認させられ、総理の業務時間が確保できない』などと、憤りを露わにしました。公設第一秘書とサナエトークンの発行に関わったとされる人物の接点について、高市事務所がメディアに対して正式回答した内容を否定し、答弁訂正に追い込まれるなど、不安定さも目立った」(自民党関係者)
野党は、7月中の衆院予算委員会の集中審議と党首討論を要求し、衆参両院で審議拒否に踏み切る一方、与党は衆院議員定数削減法案や副首都構想法案の衆院での審議入りを強行している。
「高市自民は衆院選で大勝したものの、参院側はいまだ与党の過半数割れが続いており、“ねじれ国会”の状況が続き、法案成立には野党の協力が欠かせない状況である。
維新との連立合意政策にある、衆院議員の定数1割削減法案(選挙制度協議会で1年以内に結論が出なかった場合、比例区で45削減するという案)も、一部の野党の協力なしには成立しません。しかし、中道改革連合や国民民主党などの野党5党は反対で一致しています。そもそも妥当性が曖昧で、自民党のなかでも本気で賛同している人は少ない。このまま、うやむやになってほしいというのが本音です」(自民ベテラン)
とはいえ、比例定数削減法案については、参院で否決されたとしても、衆院に差し戻して、3分の2以上の賛成を得て、再可決することが理論上可能だ。官邸が7月17日までの国会会期を60日延長する案を、検討しているという報道が出たのも、このためだ。
「しかし、その場合、先の衆院選で大量当選した比例候補が黙っていないでしょう。仮に、比例が45も削減されれば、次期衆院選での公認などもなくなり、政治生命がなくなる懸念があるからです。仮に再可決となれば、自民党内が割れる危険性もある。このような状況下で、衆院での再可決に無理矢理持ち込むというのは現実的ではないのです」(同前)
ただ、自民党サイドとしては困ったことに、高市総理は、あくまで定数削減法案を含む維新との連立合意政策の推進にこだわっているのだという。













