2026年6月に、SNSで反響のあった集英社オンラインの記事ベスト5をお送りする。

第1位は、この時期に増える食中毒の記事だ。「チャーハン症候群」と呼ばれるこの症状を引き起こす菌とはいったい何なのか。
第2位は、プーチンが2014年に併合したクリミア半島についての記事だ。今、この地がロシアにとって「巨大な牢獄」になっているという。
第3位は、10歳の息子がスマホゲームに385万円課金をしてしまったという父親に、インタビューをした記事だ。
第4位は、ネットで論争になった「イオンモールおじさん」についての記事、第5位は大反響で売り切れが続出したミスドのもっちゅりんについての記事だ。

第1~5位のランキングは以下の通り。

第1位
【5日前のパスタを食べた20歳の学生が死亡】電子レンジの再加熱での殺菌効果も期待できない「チャーハン症候群」の恐怖

第2位
プーチン最大の誤算…クリミア「不沈の要塞」が巨大な牢獄に ガソリン価格は闇市場で2倍に「ロシア将校は家族と財産を本土へ」の地獄絵図

第3位
10歳息子がスマホゲームに385万円の無断課金! Appleに返金を却下された父が下した“驚愕のミッション”と弁護士の見解

第4位   
「浮気しなそうだけど成功者は少なそう」港区女子の“イオンモールおじさん”批判に、44歳実業家が反論「公園でおしゃれは無理」「ダサくなった方が成功」

第5位
「空気読めよー!」ミスド『もっちゅりん』争奪戦が過熱…高校生のヤジも飛んだ“行列地獄”の実態 ミスド事業部は「想定超えの反響」

↓以下記事本編

2014年、プーチン大統領はクリミアを「黒海を支配する不沈の要塞」として手中に収めた。しかし12年後、その戦略拠点はロシア軍を閉じ込める巨大な「牢獄」へと姿を変えつつある。補給路は次々と断たれ、ガソリンは闇市場で価格が2倍に高騰。さらに、ロシア将校が家族や財産を密かに本土へ移し始めているとの情報まで浮上した。ウクライナが進める巧妙な「包囲戦」は、プーチンが最も重視したクリミアを、ロシア軍最大の弱点へと変えようとしている。

プーチンにとってクリミアは「不沈の足場」であるはずだった

今、クリミア半島で起きていることを一言で表すなら、「プーチンの要塞」が「プーチンの牢獄」へと姿を変えつつある、ということだ。

2014年にプーチンがこの半島を併合したとき、彼の頭の中にあった絵図ははっきりしていた。黒海の制海権を握り、ウクライナの海上輸出を締め上げ、必要とあらば海から強制力を行使する––––クリミアはそのための前線基地であり、不沈の足場であるはずだった。

クリミア半島
クリミア半島
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ロシア帝国の著名な司令官、グリゴリー・ポチョムキンが1783年に黒海艦隊を創設して以来、ロシアにとって黒海の支配はバルカンや地中海へ影響力を伸ばすための生命線であり続けた。プーチンの併合は、その歴史的執着の現代版だったといってよい。

頼みの黒海艦隊はもはや攻撃部隊として機能せず

ところが2026年の今、その目論見はほぼ完全に裏切られている。クリミアはウクライナを締め上げる足場ではなく、ロシア自身が10万の兵力とともに閉じ込められつつある巨大な袋小路に変わった。プーチンが描いた構図は、地理ごと反転してしまったのである。

まず海から見ていこう。プーチンが頼みとした黒海艦隊は、もはや攻撃部隊として機能していない。2022年4月、旗艦のミサイル巡洋艦モスクワがウクライナ国産の対艦ミサイル「ネプチューン」によって沈められた瞬間から、艦隊の崩壊は始まっていた。

モスクワが沈んだことは象徴的な打撃にとどまらない。同艦が張っていた広域防空の傘が消え、ロシアの水上艦は無人艇や航空機の前に丸裸になった。

その後、ウクライナの無人水上艇による執拗な波状攻撃が続き、ロシアは主力艦をノヴォロシースクへ逃がさざるを得なくなった。

2022年の侵攻開始時、ロシアはクリミア以北の作戦海域のおよそ90%を支配していた。それが今では、コーカサス沿岸の幅25キロほどの帯、海域全体の4分の1にまで押し込められている。

海の次は、陸を断つ…ウクライナ戦略の核心

逆にウクライナは海域の60%以上で作戦のテンポを握る。黒海艦隊の戦闘能力はおよそ30%が失われ、12隻あった揚陸艦のうち7隻が破壊か長期修理に追い込まれた。

揚陸艦が動かないということは、南ウクライナで水陸両用の上陸作戦を仕掛ける能力が消えたということだ。プーチンが海から圧力をかけるはずだった艦隊は、自らの生き残りで手一杯になっている。

興味深いのは、ウクライナがこれを正規の海軍力でやってのけたわけではない、という点だ。彼らは敵艦を一隻残らず沈めようとはしていない。狙いは艦隊を「使い物にならなくする」ことに絞られている。

大艦隊を持たない国が、安価な無人艇と長距離ミサイルの組み合わせだけで、ロシアが自国の庭と見なしていた海から追い出した。海戦の歴史において、これほど鮮やかな非対称の逆転は前例がない。

海の次は、陸を断つ。ここにウクライナ戦略の核心がある。