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妻のあの日はこちらから
とうとう夫の脳裏によぎる離婚という二文字
専業主婦の妻、娘、息子の四人家族として、 平凡ながらごく平和に暮らしていると思っていたサラリーマンの夫。しかしなぜか、ある時から妻が口をきいてくれなくなる。
理由がわからないまま妻と話さない状態が続き、なんと気づけば5年目に突入してしまった。もちろん周囲に報告はしておらず、仮面夫婦として生活していたが、夫にとって最後の支えとなっていた子供達が思春期を迎えて−−。
自分自身の存在価値を見出せなくなり、次第に追い詰められていく夫の脳裏に、遂に決定的なあの二文字がよぎってしまう。
担当編集の今野加寿子氏はインタビューでこう語る。
――『妻が口をきいてくれません』の夫婦は、ある意味とても昭和的のように思えますが。
そうですね。夫は、主婦なんだから家事をやるのが当たり前という感覚だし、妻のほうも「自分は外で働いていないし、生活費はすべて夫任せだから仕方ないよね」と根っこのところで思っている。
――今は、家事を夫婦で分担するという考え方も主流になり、読むと「古い」と感じる人もいるのでは?
私も最初はそういう懸念があったのですが、意外にもまだまだ保守派は多いですね。「うちの主人もそうです」という声も聞きますし、そもそも30代の女性でも夫を「主人」と呼ぶ妻も多いです。
――そうなんですか!
「主人」と「奥さん」という呼び方は、令和になってもまだまだ現役ですよ。家事分担にしても、たとえ共働きでも夫のほうが収入が多いと、妻が家事をやらなくてはならない雰囲気になる。メディアで表現されている夫婦と、実際の夫婦の間にはギャップがあるな、というのがレビューを読んでの素直な感想ですね。