消費者金融8社を自転車操業、最大43件の支払先……さゆりの最も辛かった時期

今年の3月に結婚30周年を迎えた「かつみ♥さゆり」。そんな2人が出会ったのは1989年、さゆりが20歳の時だった。しかし、かつみは交際当初から投資の失敗により1億7000万円という多額の借金を背負っていた。

「私は当時20歳で、1億円超えの借金の重さがまだたいして分かっていなかったと思います。90年に入ってバブルが崩壊した後、さらに借金は4億7000万円にまで膨れ上がりましたが、それでもかつみさんは私の前で明るく振る舞っていました。

『俺はまだあんなこともこんなこともしたい』、『自分の稼ぎだけで絶対借金返し切るから』と、夢を語りながら覚悟を話すかつみさんにズキューンとやられたんです。

そこから私は“何があってもかつみさんのそばにいて、彼を助けてあげたい”と強く思い、結婚に至ったわけなんです」

お笑いコンビ「かつみ♥さゆり」(写真/さゆりさんSNSより)
お笑いコンビ「かつみ♥さゆり」(写真/さゆりさんSNSより)
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かつみは昼間の芸人の仕事に加えて、深夜から朝方までアルバイトなど別の仕事も掛け持ち。1時間だけ仮眠して芸人の仕事に向かう日も多かったという。そんなかつみの一生懸命な姿に、さゆりは心打たれたのだとか。

こうしてかつみの苦難を“愛の力”で乗り越えようと決意したさゆりだが、思わず弱音をこぼした時期もあった。

「いちばん辛かったのは、かつみさんと交際して初めて実際に“借金の重さ”を突き付けられた時ですね。

同棲したての頃は、玄関ポストに毎日山のように督促状が届き、借入先からも毎日ひっきりなしに電話がかかってくるような状況でした。そしてその頃、かつみさんが仕事に行っている間に、私が代わりに返済手続きをするために銀行を回っていたんです。

でもとにかく借入先の銀行が多すぎて1日かけて回るのがやっとといった感じで、私も若い時は金融の知識がほとんどなかったので、もう訳が分からなくて……(笑)。

最初はただかつみさんに言われるがまま返済手続きを手伝っていたんですが、まずは現在の借金の状態を把握したほうがいいと思って、カレンダーの裏側に借入先の金融機関とそれぞれの借入額、電気代やガス代など月々にかかる生活費の支払額をすべて書き出す作業をしてみました。

すると、消費者金融8社を自転車操業状態、そのほかもろもろの支払先が合計で43件もあることがわかって……。こうして借金の全体像を把握、整理するのに1年くらいはかかりましたが、そこで初めて事の深刻さが理解できましたね」

現在56歳のさゆり(写真/本人SNSより)
現在56歳のさゆり(写真/本人SNSより)

さらに月1回のかつみの給料日には毎回“生きるか死ぬか”の命運がかかった試練が……。

「毎月25日が吉本興業の給料日だったんですけど、かつみさんの給料が振り込まれて30分後くらいには借金の引き落としによって残高がゼロになってしまうんですよ。

そのため朝早くから銀行の前に並び、シャッターが開くと同時に窓口へ猛ダッシュして、その月の必要な食費や生活費を急いで引き出していました。毎月の給料日は“生きるか死ぬか”がかかったまさに“決戦の日”だったんです」

異次元のスタイルで若い世代からも注目を集めているさゆり(写真/本人SNSより)
異次元のスタイルで若い世代からも注目を集めているさゆり(写真/本人SNSより)

スーパーではいつももやし売り場に直行し、ほかの食材に目移りしないように意識していたと語るさゆり。しかしそんな苦しい節約生活のなかでも、2人は自然と暮らしを楽しむ視点を持っていた。

「ほぼ毎日蒸したもやしにポン酢をつけて食べるという食事だったんですけど、安い食材で作った料理にあえて“高級そうなメニュー名”をつけるというのに当時ハマっていました。

例えば、もやしを蒸しただけの料理には“高級もやしのせいろ蒸し”というメニュー名をつけるとか、限られた食事でもなんとか楽しもうとしていた気がします」