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#6 「こんなオリ姫見たことない」。阪神1300人、オリックス100人という人気“格差”の裏で息づくオリックスファンの絆

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年収700~800万円の安定を捨ててプロへ

――28歳でのプロ入りから気づけば3年が経ちました。

阿部翔太(以下、同)
 入団したときは、もちろん小さいころからの夢だったので、歳はかなりとってましたけど、チャンスがあるなら勝負したいという気持ちでプロ入りしました。プロに入るときには(社会人野球の)日本生命におったほうがいいのにという声もいただきました。でも、自分で決断したからには言い訳はしたくなかった。

オリックスバファローズ・阿部翔太選手
オリックスバファローズ・阿部翔太選手
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――阿部選手の登場曲でもある『Our core』(HAND DRIP)の歌詞がその生き方と重なります。

あの歌詞いいですよね(笑)。

“誰かのせいでって終わりたくないから
一度の人生賭けるしかないね
やってみれるだけやってみせるぜ
人生失敗の繰り返し
アイツの為にも叶えてみせる
これまでの日々無駄なんかじゃないし
やってきたことだけやってるだけ”

(『Our core』作詞・作曲HAND DRIP)

知らない歌だったんですけど、知り合いからグループを紹介してもらって、歌を聴いたときに僕の人生っぽいなと思って、マウンドに上がるときの登場曲にさせてもらっています。

――率直に社会人野球の日本生命って年収もよかったと思います。

僕は社会人6年目までいたので、年収は700~800万円くらい。10年くらいいると1000万円までいったりするので、いい待遇だと思います。

©ORIX Buffaloes
©ORIX Buffaloes

――好きな野球ができて安定もあって、それでもやっぱりプロ野球でしたか?

社会人野球はめちゃくちゃ好きでした。日本生命さんで働くとたしかに安定はすると思います。でも、いつかは会社に戻ってデスクワークをするときは必ずきます。ずっと野球はできないので。もちろんプロ野球でも同じく野球をやめるときはくるんですけど、「野球をする」という点でいうと自分のがんばりしだいで長く野球ができるのはプロのほうかなと思いました。

野球に携わるという意味でも、プロのほうが長く携われるかなと。あとは、プロの世界で自分がどれだけやれるかってのも試してみたかったですし、僕の中でプロ入りへの迷いは一切なかったです。