若い子と接するのが怖くて

最近、若い世代と何を話したらいいのかわからない。

例えば、20代前半と思われる若いA Dさん。

昔だったら「彼氏いるの?」「恋愛どうなの?」なんて話もできたかもしれない。

でも、今そんなことを聞いたらセクハラになっちゃうし。

かといって、年齢や出身地を聞くのは個人情報だから躊躇してしまうし。

「現場、楽しい?」なんて、私が聞くことでもないよなぁって……。

迷いに迷った結果、選んだ一言が「今日は晴れそうだね」。

当たり障りのない天気の話で沈黙を埋めている自分がいたりしてね。

以前は若い世代ともっと楽しく話せていた気がします。

でも、気づけば私も53歳。

20代からしたらもうお母さん世代なわけで。

若者との付き合い方について語る大久保
若者との付き合い方について語る大久保
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こないだも、韓国のガールズグループ『ル・セラフィム』を永遠に覚えることができなくて。

ラセラフィーじゃないのか、セラセラフィムも違うのか、周りの若い子に何度もしつこく聞いちゃったりしてね。

最近はもう、何が流行っているのか、どんな会話が盛り上がるのかもわからない。

年齢差が広がるのと同時に膨らむ若者に対する苦手意識。

さらに、追い打ちをかけるように襲いかかるのがハラスメントの嵐ですよ。

ハラスメントって、強者(上司や先輩)が弱者(部下や後輩)を攻撃するというイメージがあるから。

自分が弱者の立場なら少しは気が楽になるというか。

大竹まことさんには、迷いなく「ジジィ」と言えてしまうんだけど。

まあ、それも立派なエイジハラスメントなんですけど(笑)。

年上や同年代に対しては、同じ昭和を生きてきた安心感があるからか、お互いに多少の失礼は許し合える気がするんですよね。

ただ、自分が強者の立場になるとそうもいかない。

セクハラやパワハラに始まり、アルコールハラスメントに不機嫌ハラスメント、なんでもハラスメントになる昨今、若い子に対する言動にはやっぱり自分も敏感になってしまうよね。

また、こういう仕事をしていると、距離の取り方が若干バグっているというか、他人の心にズカズカと土足であがるようなところがあるというか。

デリカシーのない発言をしたり、ツッコんだり、それをちょっと面白いと思っちゃっている、良くない自分もいたりするわけですよ。

だからこそ、若い子と接するのが余計に怖くてね。

こっちはそんなつもりじゃなくても、私の一言がトラウマになって、メンタルやられて、仕事を辞めてしまうかもしれない……。

勝手に大袈裟に考えては、勝手に疲れ果て、「こんなに気を遣うならもう、コミュニケーションなんて取らなくてもいいや」と、これまた勝手に諦めてしまったりして。