カイヤ「日本人になりたいと思いました」
「当時の事務所(「フォード・モデル・エージェンジー」)からは、世界規模での仕事が次々と入ってきました。
あるとき、事務所のフランス支部経由で、私に日本から仕事のオファーがいくつか舞い込んできました。担当者はアイリーンに確認しないまま引受けたのですが、それを聞いたとき、私は本当にうれしくて、うれしくて…。これでやっと6歳からの夢が叶うんだ、と。
なのに、アイリーン(・フォード)から私に直接電話がかかってきて『あなたを日本へは行かせない。私があなたのキャリアを計画しているのだから』と言われました。
アイリーンには本当に感謝しているけれども、日本へ行くことは私の子どものころからの夢でした。彼女には申し訳ないけど、事務所との契約を終了して、新たにエージェントを立てて、日本で仕事をすることにしました」
日本の空港に降り立ったときの気持ちは今でも忘れない、とカイヤさんは振り返る。
「初めてなのに、なんだか懐かしくて、『帰ってきた!』という気持ちでした。
空港の売店で最初に買って食べたのが『納豆巻』だったんですけど、『なにこれ、おいしい!』って。納豆の食感と、海苔、酢とご飯のマッチングに心から感動しました。
今でも納豆は大好き。日本食を作るのは得意なの。梅干しにおかか、発酵食品である味噌や漬物は毎日食べますよ」
日本語はまったくしゃべれなかったものの、仕事はコンスタントに入ってきた。大手百貨店の看板広告を始め、大手メーカーのウイスキーのCMに有名俳優と出演したり、ユニチカの水着のキャンペーンモデルに選ばれたことも。
「日本は思っていた以上に素敵なところでした。風景も、文化も、人も。私はすっかり日本に恋をして『日本人になりたい』とまで思いました」