訴えられるリスクが高い3つの行動 

──不同意性交等罪の加害者にならないための心得として、性行為前の同意を確認することと同じくらい、行為後の態度も重要ということですが……。

加藤博太郎(以下同) 悪意がなかったにもかかわらず、女性から被害を訴えられたという男性のよくある行動パターンをもとに考えましょう。私はそうした男性に、3つの共通点があることに気がつきました。

①コンドームなどの避妊具を使用しない
②行為の後、すぐに女性と離れる(現地解散や女性を帰す行為)
③行為の後、女性からの連絡に返事をしない

この3つの行動を取る男性は、訴えられるリスクが高いです。

避妊具の使用が女性の安心に 

──1つ目のコンドームをしない人が訴えられやすいのは、なぜでしょうか?

その場の雰囲気でコンドームをせずに性行為をしてしまうことはあると思いますが、男女で異なってくるのは、行為後の心情です。

男性にとっては、コンドームなしでの性行為は気持ちのいい思い出になるかもしれませんが、女性の場合は、行為後に望まぬ妊娠の不安が頭をよぎるようになります。

そして「なぜ私だけが不安を抱えてすごさなければならないのか?」と思いはじめ、「そういえば私は明確には性行為に同意していない」と認識するようになることがあるからです。

避妊具の使用が信頼関係の構築に繋がる
避妊具の使用が信頼関係の構築に繋がる
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──きちんとコンドームをしていると、そうした被害感情は芽生えにくいと。

もちろん、コンドームを使用していても不同意性交で逮捕・起訴される事例はあります。ただ、私の知る限りそうしたケースは非常に少数です。

ちなみに、コンドームをつけることは、女性の心情だけでなく、警察の捜査や公判においても重要なポイントになってきます。

被害を訴える女性による「無理やり押さえつけられて逃げられなかった」という主張に、「抵抗する女性を押さえつけながらコンドームを装着することは不可能」と反証することができる場合があるからです。

また、コンドームを女性に装着してもらったり、包装から取り出してもらったりすることで、さらに強い同意の確認にもなります。性感染症防止の観点からも、法的リスクの観点からも、コンドームは使用したほうがいいです。