「サイド・ビジネスの巻」(ジャンプ・コミックス25巻収録)
今回は、両さんと中川が、暑さをしのぐために入った喫茶店でヤクザと銃撃戦を繰り広げるお話をお届けする。
両さんたちが駆け込んだ喫茶店は、実はヤクザがシノギのために経営していたお店。手入れを食らうと勘違いした店長や店員(もちろん全員ヤクザ)は臨戦態勢に……。
初期『こち亀』ではよく両さんが拳銃を発砲していたが、本作では意外な人物が、それも些細な理由でブチ切れて銃を撃ちはじめるのだ……。この先は、本作を読んで確認してほしい。
さて、本編をお読みいただく前に、日本の喫茶店にまつわるあれこれを少しずつ消化しておきたい。
喫茶店とは、コーヒーや紅茶などの飲み物や、サンドイッチなどの軽食を提供する店を指す。
そのルーツは、コーヒーが日本に輸入された江戸時代後期にあるといえるが、実際に店舗を構えて一般庶民に向けて飲み物などを提供しはじめる店が増え始めたのは、明治時代のなかば以降だ。
1910年代の明治末期から大正にかけては、都市部に「カフェー」と呼ばれる店が次々と登場した。
その後、サロン的な社交場性格を持つ店と、女給によるサービスを売り物にしたバーやキャバクラ的な店とに二極化していくが、やがて後者は「特殊飲食店取締規則」の対象となり、現在の喫茶店へとつながる「純喫茶」が生き残ることになった。
だが1930年代から1940年代にかけての戦争によりコーヒーの輸入に制限が掛かると、喫茶店ビジネスは、ほぼ終焉を迎えた。
戦後における喫茶店の復活から今日までの歩みは、また改めてつづっていこう。
それでは次のページから、ヤクザと警察官が喫茶店で繰り広げる、激しい銃撃戦をお楽しみください!!