インドの超大作映画が台風の目に
一方、台風の目となりそうなのが、『バーフバリ』(2015、2017)シリーズで再びインドブームを巻き起こしたS・S・ラージャマウリ監督『RRR』(2022)。ゴールデン・グローブ賞では非英語作品での作品賞と劇中歌「NAATU NAATU」でオリジナル歌曲賞にノミネート。
すでに発表されたニューヨーク批評家協会賞では、なんと監督賞に輝いている。アカデミー賞でも作品賞や監督賞をはじめとするメインの賞に絡んでくる可能性もアリ。
なんと言っても本作は、イギリス植民地時代のインドを舞台に、英国政府に敵対するビームと、体制側の警察官ラーマのふたりの英雄の友情と闘いを描き、イギリスへの恨みを200%叩き込んだような内容。
その作品が歴史の節目となった今年、欧米の映画賞をにぎわせているのは実に感慨深い。アカデミー歌曲賞ではショートリストに選出されいて、ノミネートされたらきらびやかなステージ・パフォーマンスで全世界のお茶の間を熱狂させること間違いなし。
ほか、ここ数年のアジア系隆盛の勢いにノッて『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』にも注目。
主役はゴールデン・グローブ賞で主演女優賞にノミネートされているミシェル・ヨー姉さん。アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされたら、彼女が体を張って出演していた香港映画で育った世代はそれだけで感涙しそう。
というわけで今年は、トムにヨー姉さん、インド映画と、エンタメの王道を歩いてきた人たちが報われる年になることを期待。そして技術賞系は『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(2022)にお任せということで。
3月12日(現地時間)のアカデミー賞授賞式が待ち遠しくなってきた。