ロマン・ポランスキー監督作『チャイナタウン』

世の不条理を映し出す衝撃のバッドエンド『チャイナタウン』。“レンタル”ではなく“購入”してリピート鑑賞を_1
左からモーレイ夫人を演じたフェイ・ダナウェイ、私立探偵のジェイクを演じたジャック・ニコルソン Everett Collection/アフロ
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昔の作品でも見たことがなければ新作映画!

一周まわって新しく映った作品の数々をピックアップする桂枝之進クラシック映画噺、第8回となる今回は『チャイナタウン』(1974)をご紹介。

1930年代、深刻な水不足からダム建設に揺れるロサンゼルス。

私立探偵のジェイク・ギテス(ジャック・ニコルソン)のもとに、モーレイ夫人(フェイ・ダナウェイ)と名乗る人物から浮気調査の依頼がくる。

簡単な身辺調査のはずだったが、調査を続けるうちに不可解な点が増えていき、やがてロサンゼルスの水道利権を巡る巨大な闇に巻き込まれていく。

冒頭の力の抜けた様子から、徐々に社会を巻き込む闇の存在に気付いていき、ギテスの探偵魂に火がつくグラデーションは、見いてる側まで映画の世界へ導かれるよう。その設計がなんとも面白かった。

最終的に黒幕へ近づくことができるのだが、その人物は巨大な権力に守られていた。