キングオブコントのタブー

――キングオブコントはM-1と違って、準決勝でネタを2本見せなければならないところが本当に大変ですよね。

本間 辛いんです。準決勝を突破できるようなネタって、できても1年に1本くらいなんです。そうなると、どうしても、過去ネタを引っ張り出してくるしかなくなってしまう。
実は準決勝で『雨』をやったの、今年で3回目なんです。2017年に初めてやって、すごくいいウケ方をしたんです。それで2019年の準決勝は、2本目のネタが作れなかったので、もう一度、『雨』をやったんです。そうしたら、明らかにネタバレしていて……。

キングオブコントの“タブー”を乗り越えて。40歳“野良犬トリオ”や団の「勝負コント秘話」_3

伊藤 本当にお客さんのため息が聞こえましたから。「見たことあるネタだ」ってわかった瞬間、お客さんの熱がすっと冷めるのが肌感覚で伝わってきたんですよ。

――それは怖いですね。

本間 だから、3回目は絶対ないと思っていたんです。2020年、2021年は準々決勝で敗退してしまったので、よくとらえればネタを温存できた。『バーベキュー』は2020年の準決勝で負けたネタだったんですけど、僕はここで負けるようなネタではないとずっと思っていて。それで磨きに磨いて、2022年の準々決勝でもう一度ぶつけたら、今度はなんとか通った。
そして、準決勝です。1本目は『バーベキュー』でいくとして、やっぱりもう1本がなかった。そこで浮上してきたのが『雨』で。2年空いているとはいえ、さすがに3回目は怖いなと思ったんですけど、もう、それしかなかったんで。

――準決勝で3回くらい同じネタをやっている組は他にもいるわけですよね。

中嶋 いや、聞いたことないですね。

――そうなんですか。別に過去にやったネタをまたかけてはいけないというルールがあるわけではないんですよね。

本間 ないんですけれども、ちょっと前までは、なんとなくタブー視されている感じはありました。それでも僕らはもう、やらざるを得ないんで。
ただ、2000年かな、コロナの影響で芸人たちもなかなか新ネタを試す場がなかったときに、TBSサイドから「過去に決勝でかけたネタはダメだけど、準決勝までのネタは何回やってもいいですよ」みたいなお達しがあったんです、やや遠回しな感じで。それで随分、やりやすい雰囲気にはなりましたね。