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15年目で初の決勝進出

“何か”が足りないと思い続けて15年。無冠の40歳トリオ「や団」にキングオブコント決勝の重い扉が開いた理由_1
や団。SMA NEET Project所属。ネタ作り担当&ツッコミの本間キッド(中央)、ボケの中嶋亨(右)、ロングサイズ伊藤(左)
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――2021年にお話を伺った時、「何かが足りないまま14年。その何かが見つからないから決勝に行けない」と話していました。2008年の第1回大会からキングオブコントに出続けて今年で15年目。準決勝進出は今年が6度目で、初めて決勝に進出できたのは、足りなかった「何か」がようやく見つかったということなのでしょうか。

本間 少しずつですが、自分たちを魅力的に見せる方法がわかってきた感じですかね。

伊藤 これだ、という何か大きなものが見つかったというより、本当に小さなことの積み重ねだと思います。それがようやく目に見える形で現れたというか。

本間 僕がいつもネタを書いているんですけど、ボケの中嶋(享)と、(ロングサイズ)伊藤は狂気的なキャラクターが似合うことがわかってきたのは大きいと思います。

――決勝で披露した1本目の『バーベキュー』も、2本目の『雨』も、いずれも中嶋さんと伊藤さんはそういうキャラクター設定でした。

“何か”が足りないと思い続けて15年。無冠の40歳トリオ「や団」にキングオブコント決勝の重い扉が開いた理由_2

本間 決勝が終わったあと、ある人に「や団は“愉快な狂気”だ」って言われたんです。伊藤は明らかに狂気じみていて、中嶋は一見、普通のやつなんですけど他人の狂気に触れることで自分の中に眠っていた狂気が表面化してしまう。

伊藤 中嶋の方がやばいヤツなんですけどね。

本間 二人の描き方はわかったんですが、足りないのは僕だったんです。僕は作家のせきしろさんにすごくかわいがってもらっていて、せきしろさんが書くユニットコントにときどき出させてもらうんですけど、そこではすごくウケるんです。なので、せきしろさんに「いつも僕をどう使おうと考えてますか?」って聞いたら、「おまえは、ただ驚かせときゃおもしろいんだよ」って言われて。

――せきしろさんは、作家としての又吉直樹さんを発掘された方ですよね。

本間 そうです。それで、これもよく言われていたんですけど「驚いたり、怒ったりするときは、目を開くといいんだよ」って。そうすると怖さが軽減されて、ファニーに映るんだそうです。確かにハリセンボンの(近藤)春菜さんとか、そうですですよね。「◯◯じゃねえよ!」って怒るとき、めっちゃ目を見開いているじゃないですか。

中嶋 本間は普通の顔をしていると眉間にシワがよりがちで、イライラしているように見えちゃうんですよ。

本間 驚いていりゃいいといっても、僕がリアルに驚いちゃうと、どんどん話が怖くなっていってしまう。なので、顔が強張っているときは、中嶋に注意してもらうようにして。表情を柔らかく柔らかくしていました。