第4位:『クランプス 魔物の儀式』(2017年)
『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(2021年)でおなじみマイケル・ドハティ監督作、『クランプス 魔物の儀式』(2017年)は、ダークでちょっぴりキュートなクリスマス・ファンタジー。
クリスマス・イヴに親戚一同で集まったはいいものの、家族間のそりが合わず、険悪なムードに包まれてしまったマックス少年。怒りと悲しみに耐えかね、彼がサンタクロースへの願い事を破り捨て去ったとき、サンタの影を司るという闇の魔物、〝クランプス〟が現れる。
問答無用でマックスの家を強襲し、一人、また一人といずこへと連れ去っていく怪物たち。果たして彼は、クリスマスの悪夢を追い払うことはできるのだろうか……。
寓話的な物語が特徴のホラー映画。とはいえ残酷表現の類いは皆無に等しく、肩の力を抜いて見られる部類。おどろおどろしくもどこかコミカルで愛嬌のあるクランプスの一挙手一投足は、意外にも良質な映像美術と共に、あなたの目を楽しませてくれることだろう。
もっとも、ピエロやクッキーの姿をした個性的な怪物たちが、本格的に大活躍するのは後半になってから。前半の人間模様も決して悪くはないのだが、ドギツめのホラーとは無縁の作りであることに要注意。