映画のようなドラマティックな人生

初めてエリザベス・テイラーを見て「まあ、何て綺麗な人!」と衝撃を受けたのが『陽の当たる場所』(1951)でした。お金持ちの令嬢役がぴったりで、モンゴメリー・クリフト演じる男性との身分違いの恋が本当にドラマティックで、映画そのものも名作でした。

映画スタジオで育ったと言ってもいいくらい、子役から活躍していた彼女は、その美貌で一世を風靡。テネシー・ウィリアムズ原作の作品に挑戦した『去年の夏 突然に』(1959)や、『バージニア・ウルフなんかこわくない』(1966)でもわかるように、美貌だけでなく演技力も素晴らしかったし、ハリウッドで一目置かれた女優の中の女優だったわね。

そしてさらに彼女を有名にしたのが、生涯で8回結婚するなどの数々の恋愛人生。事故死した3番目の夫マイク・トッドの親友だったエディ・フィッシャーと4度の目の結婚をしたけれど、彼は当時の妻のデビー・レイノルズとアメリカのスイートハートと呼ばれる人気のカップルだったので、堂々と他人の夫を奪う彼女に世間は騒ぎに騒いだものです。

また二度の結婚と離婚を繰り返したリチャード・バートンとの愛憎劇も有名でした。プライベートでも映画のようなドラマティックな人生を送った彼女のような女優は、今の時代にはいないようです。