「金太郎、圧倒される。」(集英社文庫・コミック版6巻収録)
現地の人すらも恐れる砂漠の猛威
『サラリーマン金太郎』第55話で金太郎は、砂漠の過酷さとイスラムの人々の信仰心を目の当たりにする。
前話で、金太郎はすでに最低最悪の工事現場を見せられた。今回は、その第2現場に至るまでの移動そのものが、もはや仕事の準備ではなくサバイバルになっている。
夜の砂漠では、昼間の灼熱が嘘のように冷え込む。昼夜の寒暖差は30度以上。日本にいると、砂漠と聞いて「ひたすら暑い場所」と思いがちだが、実際には夜になると一気に冷え込むことも珍しくない。
そして翌日の昼は、また猛烈な暑さだ。水分補給のためペットボトルの水を飲んだ金太郎は、思わず吐き出してしまう。「水が煮えている……」というのだ。
しかしそんな過酷な状況でも、現地同行者のハシリは汗すらかかない。しかもラマダンの期間中だからと、水分補給さえしない。「俺はツバだって飲まねえよ。イスラムにとってこの世は神のお教えを守るためにあるだけなのさ……」という言葉からは、信仰の強さが伝わってくる。
だが、そんなハシリですら思わず冷や汗をかくような場面に遭遇する。それが熱風と砂嵐だ。
ある地点を境に、まるで火の中に入ったような熱風の壁が現れる。ハシリが言うには、それが「ギブリ」。砂漠に吹く熱風で、その先は別世界のような暑さになる。
さらにその後には砂嵐まで待っている。砂嵐というと、ただ景色が見えなくなる程度に思うかもしれないが、実際には窓を閉めなければ車内は砂まみれとなり、目も口もやられる。激しく砂が車体を打ちつける様子は、まさに自然の猛威だ。
どう考えても仕事どころではない現場。それでも金太郎はこの中でハシリと会話しながら、アラビア語を学ぼうという姿勢を見せる。まだまだここで仕事をする気満々なのである。
金太郎には引くという発想がないのか。続きはぜひ漫画で確かめてほしい。























