「金太郎、潤う。」(集英社文庫・コミック版6巻収録)

金太郎が感情爆発のプロポーズ

『サラリーマン金太郎』第59話では、あの金太郎がまっすぐなプロポーズをする。

工事はうまくいかない、ガソリンを奪われて町に戻れない、そのうえ砂漠のド真ん中でサソリに刺され、「こんな所で死ぬのか?」と満身創痍の金太郎。そんな男の前に、恋人の美鈴が現れた。

突如現れた美鈴を見て、金太郎は涙を流してしがみつき、「本物だァ……本物だよ。本物の美鈴だ」と一心不乱になる。いつものクールで男らしい金太郎からすると、かなり珍しい感情のあふれさせ方である。よほどギリギリだったのだろう。

美鈴もまた、「愛してる、好きよ。死ぬほど好きよ」と金太郎を受け止めて、愛の言葉をぶつける。そしてついに金太郎は、「結婚しよう……帰ったらすぐに……俺の気持ちははっきりした」と、そのまま砂漠の真ん中でプロポーズしてしまう。まさかのシチュエーション、まさかのタイミングである。

ちなみに、「結婚相手紹介サービス」株式会社オーネットが2024年に全国の25~34歳の独身男女702人を対象に行った調査では、「結婚したい」と強く意識した場面として最も多かったのは「知人・友人が結婚することを知ったとき」で26.7%だった。

また、今回のシチュエーションと少し近そうなのが、「自宅で一人でいるときにふと孤独を感じたとき」で16.5%。金太郎がプロポーズを決心したのも無理はないと言えるのかも、

ただ金太郎の場合は、「砂漠の真ん中で一人になり、サソリに刺されて、死を覚悟したとき」と言ったほうがいいかもしれないが。

ちなみにこの金太郎のプロポーズ、両思いなのだから誰もが成功すると思う。だが、美鈴は「聞かなかったことにする」という。これもまた彼女らしい、かなり素敵な理由なので、そこはぜひ漫画で確かめてほしい。