セックスの最優先事項と目的は男性の喜び!?
アメリカの一般的な性教育の授業では、女性の生殖器――卵巣、卵管など――について学びますが、快感に関係するクリトリスに関して学ぶことはありません(どのように機能するか、どのように刺激されるのか、女性のオーガズムとの関係など)。クリトリスについて言及することもありません。一方、快感に関係するペニスに対してはそうではありません。
性教育の授業が男性の快感だけに焦点を当てていると言っているのではありません。私はただ、性教育ではペニスについての言及は確実にあると指摘しているだけです。勃起については説明されています。射精についても同じです。セックスの最中に男性が経験する快感は――性的興奮とオーガズム――セックスの基本メカニズムの一部として提示されるのみです。
性的行為のなかで、男性が喜びを経験することは当然のことと受け止められています。同じ行為で女性も喜びを感じるのでしょうか? 誰がそれを知っているというのでしょう? 話題にもなりません。なぜなら、女性のオーガズムは、性の基礎知識のなかでは重要な部分とされていないからです。
でもこうしたことは、性教育の授業のなかだけの話ではありません。社会がセックスについて論じるとき、多くが男性視点からの話なのです。事実、「性行持続時間」の研究の多くは、男性がヴァギナ内で射精に至る時間を基準に行われています。
ステレオタイプの性行為の描写によれば、男性が射精するまでセックスは終了せず、男性が射精に至ればセックスは終わります。社会は男性の経験に注目しますが、女性の経験に対してはそうしません。
男性がオーガズムを感じ、ヴァギナに射精をすると、ほとんどの人はそれがセックスだと考えるでしょう。同じ性行為のなかで女性がオーガズムに至らない場合はどうです?
それでもセックスでしょうか?
はい、それでもセックスです。多くの人が、それでもセックスだと考えます。セックスを定義する唯一の方法ではありませんが、しかしそれが一般的でしょう。