がんになる理由
そして「なぜがんになるのか」と一口にいっても、がんのできる部位によって影響する要素は異なる。
皮膚がんなら過剰な紫外線の刺激でリスクが上がる。呼吸に関係している肺がんならたばこの煙を吸うことだ。食事が通過する大腸のがんなら赤身肉など欧米化しすぎた食生活をすることなど、それぞれの臓器が関わっている因子につながる生活の悪習慣が、それぞれのがんのリスクを上げる。
なかでもたばこは本当に多くのがんのリスクを上げる。
たばこに含まれる有害物質は、肺だけではなく血液に乗って全身をめぐり、DNAを損傷させ、さまざまながんのリスクを上昇させるといわれている。
遺伝によるがんは?
「がん家系」と呼ばれるように、がんには遺伝の要素もあるのだが、じつは遺伝による“家族性腫瘍”はがん全体の5~ 10% と多いわけではない。
遺伝のハンディキャップがある場合もあるが、我々にできることは日々の生活習慣を改め、“がんになりにくい”体作りをすることと、有用ながん検診を選択して“がんを早期発見する”段取りをしておくことだ。
なお、がん予防に対する心構えとしてあえてまとめるならば、それぞれの臓器が普段からしている仕事を認識し、そのうえで労ってあげることだ。
●予防方法
普段意識することは少ないが、我々の体内では臓器たちが日々絶え間なく活動している。暴飲暴食をしては、インスリンを放出しているすい臓や大腸に負担がかかる。熱いものや塩辛いものを食べすぎれば、通過する食道や胃がダメージを受ける。喫煙をすれば煙が通過するのどや肺が痛めつけられる。
「物言わぬ自分の内臓を大事に大事にする」
この考え方を再認識することが、普段から病気の予防を意識しにくい人がまずやるべきことかもしれない。
続きはこちら 怖いけど面白い 予防医学#1
続きはこちら 怖いけど面白い 予防医学#2
続きはこちら 怖いけど面白い 予防医学#3