肝炎ウイルス

肝炎ウイルスも同様に性行為によって感染するウイルスだ。こちらは肝臓に入り込み、本人に気づかれないように、肝臓で炎症を起こす。炎症の跡地はまるでかさぶたや焼け跡のようになり、肝臓としての機能を失い、がんが発生する土壌が形成される(慢性肝炎)。結果として荒れ果てた肝臓にはがんが発生しやすくなってしまう。

肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれるだけあってなかなか症状が出にくい。そして10年、20年かけて静かに、肝臓でボヤ騒ぎを起こし続けるのだ。

●肝炎ウイルス検診で早期発見

“肝炎ウイルス検診”が推奨される。「感染しているかどうかを中年の段階で確認しておきましょう」という趣旨の検査で早期発見に役立つ。ほぼ肝臓がん検診といってよいだろう。
多くの場合、がんの原因は遺伝、運動習慣、生活習慣などが複雑に絡みあっており、1対1対応でとらえるのは難しい。しかし、これらの感染症は非常に明瞭で、検査ではっきりと姿形を確認することができる。