前編はこちら

パーフェクトなカルビと旨すぎるサガリ


8 極上黒毛和牛カルビ
(好楽園)

【部位別・肉ニシュラン】一切れで白米一膳食べてしまうほどのサガリ、関東三大ハラミの筆頭、パーフェクトなカルビ…心が震えるほどおいしい焼肉の現在_1
とにかくパーフェクトなカルビ
すべての画像を見る

川崎市を縦に走るJR南武線の矢向駅。賑やかさはあまりない駅から住宅街を5分ほど歩くと、どこの街にでもありそうな古びた焼肉店が存在する。地元のお客さんだけではなく、遠くから通うファンもいるこちらは、知る人ぞ知る焼肉店、好楽園。

メニューはいたってシンプルで、正肉はカルビ3種類にロース1種類、そしてハラミを含めたホルモンのみだ。カルビは和牛のリブロースを仕入れ、リブ芯をカルビ(極上黒毛和牛)、巻きをマキカルビ、カブリをカルビ(上)として提供している。

カルビはどれを食べても美味しいが、肉バカが一番惹きつけられているのがカルビ(極上黒毛和牛)。適度なサシの入ったリブ芯を鉄板で焼いたら、特製のタレをたっぷりつけて食べて欲しい。玉ねぎ等の甘みとがっつり効いたニンニクが恐ろしいほどお肉とマリアージュする。

最近のサーロインやリブロースと言えば、なんでもかんでも卵をつけて食べさせる焼肉店が多いが、大抵はお肉とタレのバランスが悪い。しかし、好楽園はこれ以上でもこれ以下でもない絶妙なバランスが成り立っていて、お肉とタレ以外に必要なものと言えば白米だけだろう。
とにかくパーフェクトなのだ。

9 サガリ
(都内某所)

【部位別・肉ニシュラン】一切れで白米一膳食べてしまうほどのサガリ、関東三大ハラミの筆頭、パーフェクトなカルビ…心が震えるほどおいしい焼肉の現在_2
1切れで白米1杯食べてしまうほど旨いサガリ

店主が常連さんを愛するが故に、店名を非公開としている名店。肉バカが2022年に毎月通った焼肉店は3軒あるが、そのうちの1軒である。それほど肉バカを虜にする理由とは何か。

まず内臓類の鮮度のよさとクオリティだ。店主が食肉市場で働いていた時のコネクションで、最高峰の内臓類だけを仕入れられる。しかも、曜日によっては屠畜当日の内臓類が入荷するのだが、こんな事が可能な焼肉店を都内では他に知らない。
そんな極上素材をさらに引き立てるのがタレ。素材の味わいを消すような強さはないが、焼肉らしいパンチがあって、見事にキマッているのだ。

またメニューはどれも恐ろしく安い。千円を超えるのは牛タンくらいだ。和牛のハラミは千円でお釣りがくるが、三千円を超える高級店のハラミを圧倒するほど旨い。
肉バカはハラミ以外に、メニュー表にはないが、サガリも必ずオーダーする。プリプリとした食感、サガリの肉繊維の中に染み込む極上のタレとそれを受け止める白米。1切れで白米1杯食べてしまうほど全てが旨い。

残念ながら店名は明かせないが、肉好きであればいつか奇跡の出会いが訪れるはずなので、それを信じて待って欲しい。