他にもある要注意な犯罪の予兆

──家がどんな環境にあるのかを把握して、手薄な場所を補完するように防犯グッズを使うのですね……

今は、「防犯環境設計」って言葉があるくらいなんですよ。家を建てる周りの環境に沿った防犯設計をしましょうと。設計の段階で防犯を入れ込んでおくと、それだけで防犯性の高い住宅が出来上がるわけです。たとえば、塀や生垣の場合は1200~1400ミリの高さにする。出来れば見通しの良い縦線のフェンス(高さは1800~2000ミリ)にすることをお勧めします。これは外からの見通しをよくするためです。

防犯をきちんと学んだ建築屋さん、工務店さんに相談なさっていただきたいです。


──ちょっと最後にお聞きしたいのですが、知り合いの一人暮らしの女性が、引っ越し先のガスメーターにアルファベットが書いてあって、泥棒に下見されているのかと怯えていたのですが、こういったケースはどう対処すればよいですか?

マーキングですね。ターゲットの下調べ情報を暗号みたいな形で残すわけです。空き巣や悪質な訪問販売などで使われたりします。
例えば、女性の一人暮らしだったらウーマンの「W」。シングルの 「S」とか「1」。この人は8 時に出て行って、18時に帰ってくるっていうことであれば 「8 ~18」。パッと目につかない場所(水道メーターやガスメーター)に記しておくわけです。

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対策としては、不審ないたずら書きがあるっていうのがわかった時点で、すぐにそれは消してください。「ひょっとすると、なんか狙われているのかな?」という意識を持ってください。

それでも心配な方は「#9110」にかけてください。
犯罪や事故に当たるのかわからないけれど警察に相談したいことがある場合の警察相談専用電話です。電話をかけた地域を管轄する警察本部などの相談窓口につながります。相談すれば、的確なアドバイスがあるかと思います。

取材・文/集英社オンライン編集部

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